常盤良彦、革について熱く語る
ARISE GIFTにて、初めて「本革製品」の取り扱いを始めた事もあり、元々「革」について愛が深く、革製品を販売している常盤良彦さんに、「革」についてお話を伺いました。
常盤さん(写真左)は、大洗まいわい市場やガルパンギャラリーなどを運営し、アニメ「ガールズ&パンツァー」とのコラボ「革」製品を多数販売しています。今回はその経緯や、革について伺いました。私・廣岡との対談形式でお楽しみ下さい。
廣岡:当サイトでは今回初めて「革製品」を取り扱う事になったのですが、常盤さんは元々革好きだという私の中の認識です。常盤さんの中で「革」の良さは何ですか?
常盤:一言でいうと「経年劣化が楽しめるもの」ですかね。時折クリーナーで磨いたり、ワックスやオイルでツヤを与えたりする必要があるのですが、もうその時点で「愛着」がわくじゃないですか。イタリアンレザーと言った最初から柔らかい高級な革もありますが、基本最初は固い。でも手入れをして、使い込んでいくと柔らかくなる。そう言った楽しみがありますよね。
廣岡:なるほど。常盤さんはそもそも何で革がそんなに好きになったのですか?
常盤:質問の答えにはなってないんだけど、元々単純に「革」が好きでした。いちユーザーとして愛用していました。
そんな中、アニメ「ガールズ&パンツァー」絡みのイベントで大阪出張に行った事があったんです。その際、この町には何があるのかなーと調べてみたら、「革」の卸問屋が軒を連ねているような所でした。で、せっかく来たのだから、話が聞いてみたい!となって、ネットで調べて、「革販売のミヤツグ」という所に「今から行っても良いですか?」とアポイントを取り、革について色々教えて頂きました。そうした所「面白いやつがいる」と、「革加工のフジリュウ」さんという加工業者を紹介して頂きました。元々衣料品メーカーの部品などを作っていたのですが、その時にたまたま「革製品作っていく」という事だったので、そこから関係が築かれて行きました。
廣岡:さすがの行動力ですね。
常盤:そこから「そもそも革(皮)って何?」みたいな所から勉強しようと思って、色々な所に連れて行って頂きました。兵庫にある「皮をなめす」工場に伺った時に驚いたのは、皮って元々めちゃくちゃ分厚いんですね。その分厚い皮を加工しやすいように「なめす」、とても簡単に言うと「柔らかくする」んです。その工程が、それはもうドデカイ洗濯機のようなもので洗っていく。タンニンやクロムと言った「なめし剤」と合わせて「皮」が「革」になる。そのスケールに驚きました。
次に伺ったのは、どういう色にして行くか、染色の工程です。カタログを見させて頂いたと何千種類とある事を知りました。
廣岡:弊社の商品(キーケース)は、最初に「ホワイト加工」をして、そこから色を付けた商品ですね。なので、裏面は白い状態です。
常盤:そう、ホワイト加工をすると、色のノリが良くなりますよね。今回の商品は全体にイラストがあるから、相性良い組み合わせになってると思いますよ。実際細かい所までよく表現されてますね。
常盤:話を戻すと、色の種類が沢山ある事がわかりました。では商品にするには革の厚みを何センチにする?みたいな所で、革を削ってくれる業者があったりします。そして、ガルパンギャラリーで販売している革商品には、それぞれ刻印が入っています。そうなると、刻印するためには革の厚さは最低何ミリ必要、みたいな所が決まってきます。
そうして「革の製品の製造工程」を一通り把握したからこそ、例えばここにこんなレイアウトやデザインすると効果的だよね、みたいなものもわかりました。だから今、革製品が余計好きになったというのはあります。
廣岡:いや、詳しすぎます(笑)もはや普通に業者の方なのでは…(笑)
ガルパンギャラリーでは、ガールズ&パンツァーのコラボ商品を多数展開していますが、今はどのくらい販売しているのですか?
常盤:完売した商品などもありますけど、今は、大洗女子学園・黒森峰女学園、知波単学園・BC自由学園の4ブランドをメインにしています。商品で言うと、財布やペンケースなどですね。
常盤:革の商品は基本手作りで作っている事、そして「使っている革」が厳密には個々の商品によって違うので、一つ一つ表情が違うのが良いんですよ。大洗女子学園の革製品は「アマリロ」という厚手のヌメ革を主に使っています。ただその使っている革がすべて一定のものではないので、全く同じ商品は出来ない。だから本当は、同じ商品でも複数見て頂いて、お客様に直接見て頂くというのが一番良いんですよね。今回はネット通販なので出来ないですけども。
廣岡:それは「来た時のお楽しみ」という事で、ぜひ自分なりに「育てて」頂きたいですね。
取材の後、ガルパンギャラリーのスタッフの方に愛用の長財布を見せて頂いた写真がこちらです。「大洗女子」と「黒森峰」で商品は違いますが、大元の色は一緒の商品(新品が上)です。この違いこそが、革の真骨頂ですね。本当に「良い味」が出ています。
改めて、当サイトで予約受付中の商品サンプルを常盤さんに触って頂きました。
常盤:さっきも言いましたけど、本当に良い色出てますよね。ボコ可愛いですし。キーケースが本革で、名刺ケースが合成皮革なんですよね?
廣岡:はいそうです。名刺ケースも本革ではないですが、しっかり作られていると思うんですよ。
常盤:中もしっかりしていますね。後処理とかちゃんとしていて。その辺縫い目をみればわかります。
廣岡:ありがとうございます。キーケースの方は、元々が平坦なものなので、1回1回開け閉めするのに広がっちゃうことがちょっと手間かなとは思うのですが、折り目なども味になって行くのかなと…。
常盤:それは所作というものですよ。
なんでも便利な時代になって、スマートキーで何でも開けられる、「OK google!」といえば…(ここで常盤さんのスマホが反応「何かごよ…」)あ、すいません(笑)。まあこのように、何でもできてしまう世の中だからこそ、そういう「ひと手間」が味になるんだと。便利すぎるのをあえてめんどくさくする、良いじゃないですか。
廣岡:いきなりテンションが上がったのでびっくりしました(笑)。
常盤:ウチ(経営するとんかつレストラン クック・ファン)で、最近油調済みの「冷凍とんかつ」の販売を始めたんです。そのままレンジアップするだけでも自信を持って美味しいと言える出来にはなっているのですが、更にフライパンやオーブントースターを使用するという「ひと手間」を加える事で、より店の味に近づきます。そういった「ひと手間」で、幸せになれる事もありますよね。キーケース、良いじゃないですか。
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廣岡:前向きに解釈して頂き、ありがたいです。今回の商品は、印刷面のテンプレートがあって、そこに出来上がったデザインを入稿し、完成させるというやり方でした。常盤さんが作られた商品を見ると、明らかに色々こだわってるなという印象を持てて、私も今後挑戦してみたいです。
常盤:長財布の外側に履帯の刻印を入れたのですが、職人さんから「こんな細かい刻印はやったことがない」と言われたりしたのですが(笑)、細かい所まで職人さん達と相談して作り上げています。例えば、中側のここにラウンドつけてとかポケットつけてとか、中側のさり気ない所にも履帯を付けてとか、一つ一つこだわってますよ。また商品によって、例えば大洗女子はアマリロ、知波単はイタリアンレザーと言ったように、素材も変えたりしています。
また、最近はコロナで叶わないですけど、フジリュウの方はイベント時にわざわざ大阪から大洗に、商品販売のお手伝いに来て下さる。「僕らが財布作りましたー!」って。愛がありますよね。本当にありがたいです。
廣岡さんも今後挑戦するとしたら、これだけは伝えておきたい。
何事も一から作るのは楽しいよ!とね。
廣岡:今日はありがとうございました。皆さんも何か一つでも、革製品、持ってみてはいかがでしょうか。
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