サザコーヒー -コーヒー愛とエンタメの遺伝子が活きる茨城の有名カフェ店-
茨城県ひたちなか市で生まれ、今年で創業50年の「サザコーヒー」。こだわりの味を追求し、茨城発のスペシャリティーコーヒー店として、各国のコーヒー生産者と提携し、農園主と直接交渉しながら、高品質の豆を買い付けています。「コーヒー文化事業」にも力を入れ、多くのバリスタを輩出すると共に、美術・芸術の分野とのコラボレーションなども積極的に行っています。東京にも数店舗構えており、知っている方も多いのではないでしょうか。
『私はコーヒー屋としては2代目で、その昔は祖父が「鈴木興行」というイベント屋をやっていて、「勝田宝塚劇場」という映画館を経営していました。しかし次第に経営に行き詰り、そのタイミングで喫茶店ブーム、いわゆる第1次コーヒーブームがやってきて、その流れで開業した流れです。小さい喫茶店からスタートして、私が小学1年生の時にコーヒー豆の卸業も始めて、物販コーヒーも扱うようになりました。』
そう語るのは、今年社長に就任した鈴木太郎さんです。鈴木さんは、「ただ美味しいコーヒーを出す」という事にとどまらない、「お客様にどう楽しんでもらえるか」という考えを大事にしています。
ただ「美味しい」だけじゃない、エンターテインメントとしてのコーヒー店として―
『美味しいコーヒーを出しているお店って全国にいっぱいあるんです。だから私は、「美味しいコーヒー」だけじゃなくて、それにプラスして「楽しさ」を求めたいと思っているんですね。それがないとお客様は喜んでくれない。これは祖父がイベント屋をやっていた遺伝子かもしれません。』
『アニメ「ガールズ&パンツァー」最終章 第2話の劇中に弊社の大洗店が描かれまして、それ以来大洗店に沢山の作品のファンの方に来て頂けるようになりました。私もすっかり「ガールズ&パンツァー」のファンになってしまいました。そこで、せっかく来て頂けるファンの方に何かお土産があった方がよいなと思い、コラボデザインのカップオンを作らせて頂いたり、アニメの劇中に出ていた大きなモンブランケーキが美味しい×楽しい!という想いで、すぐに製造に着手したりしています。やっぱり「楽しさ」を形にする仕事がしたいじゃないですか。』
※モンブランケーキは現在「和風味」が登場し、ネット予約と大洗店で数量限定で販売しています。
https://coubic.com/coffee_seminar/894859
鈴木さんは作品のファンの方に楽しんでもらうにはどうしたら良いかという視点と共に、「自分がファンとして楽しむ」という心を持たれているという事を、インタビューを通じて感じました。そして思い立ってからの行動が非常に早い。経営の観点とのバランスが絶妙です。
ストーリーのある「ガールズ&パンツァー」コラボ商品群-
サザコーヒーでは現在、「ガールズ&パンツァー」とのコラボ商品を4種類の味に分けて販売していますが、『せっかく発売するならストーリーを持たせたい』という想いから、入れる豆にもそれぞれ特徴を持たせています。
●大洗女子学園コーヒー:大洗女子学園は「多国籍の戦車が登場・活躍する」という事から「多国籍」をキーワードに、ケニア・グアテマラ・エチオピアの豆を掛け合わせました。
●BC自由学園コーヒー:フランスをモチーフにした学校である事から、江戸幕末のフランス風コーヒーである「徳川将軍珈琲」を選びました。
●知波単学園:日本をモチーフにした学校である事から、鈴木社長が愛してやまない「ゲイシャ」を選びました。
●黒森峰女学園:ドイツをモチーフにした学校である事から、ドイツ製の焙煎機で焙煎し、ドイツ風の深煎りコーヒーのロースト「ジャーマンロースト」を選びました。
アニメ劇中に登場する学校の特徴をモチーフにして、作品ファンの方にいかに喜んでもらえるか、という視点を重視し、上記のような豆の特徴を持たせています。
現在のコラボ商品は「豆」と「カップオン」の2つの分類に別れており、この度「カップオン」の新商品として「知波単学園」「黒森峰子学園」の2種が発売されました。
『まず第一に、カップオン商品は「誰が入れても同じ味になる」という最先端なんです。コーヒーは、焼いてから1か月くらい置いた方が香りが上がってくるんです。しかし1か月置いてしまうと油が駄目になってしまう。そうならないように「酸素が入らなければ良い状態を保てる」という事で研究を重ね、フィルムには相当お金と時間をかけまして、今の形になったのは2017年と最近の話です。小さいながら、技術の結晶なんです。今は酸素を完全に遮断する事に成功して、美味しいコーヒーをお届けできます。
このような問題に直面する事も多々あるのですが、私は根っからの「実験野郎」でして、困った事があったら何でも実験をして拘ります。そうして「美味しいコーヒーを届ける」という事に真面目に突き詰めていった結果、今では日本スペシャルティコーヒー協会の理事を務めさせて頂くまでになりましたし、TV番組「カンブリア宮殿」で特集して頂きました。』
この「実験野郎」の血は、コラボ商品のアイディアやスピード感に表れています。そして、新商品「知波単学園コーヒー」に入っているコーヒー豆「ゲイシャ」についても熱く語ります。
『私は「パナマ・ゲイシャ」というコーヒーに恋をしたんです。パナマ・ゲイシャは甘いし美味い。本当に美味い。うまく表現できないんですが「美味い」としか言えない。』
パナマのゲイシャ種は、昨今スペシャルティコーヒーの世界で最も注目を集めている品種です。その風味特性は唯一無二の光を放ち続けています。一方、栽培は難しく生産性が低いことから非常に貴重なコーヒーとなっており、国際オークションにおいても、常に高額で落札されるコーヒーです。アニメとのコラボパッケージだからと言って侮るなかれ。拘りぬいた美味しいコーヒーをご家庭で楽しむことができるのです。
『今ではファンの方と交流したいので、「タダコーヒー」と言って、開店前に並んで下さるガルパンのファンの皆様に、「世界一うまいゲイシャを飲んでみよう!」という企画やカップオンの入れ方教室などしています。でも今はコロナの影響もあって…。大洗を愛している人も多いと思いますし、早く収束して欲しいですね。』
変化に対応できるモノが生き残る-
新型コロナウイルス感染症の影響は、コーヒーショップを経営するサザコーヒーにも直撃しました。そんな状況でも、鈴木社長は前を向きます。
『今回の新型コロナウイルスの影響で、人々の「価値観」や「人生観」が大きく変わりますよね。私は自分でもびっくりするくらい海外を飛び回っていたのですが、これからは移動にリスクもコストもかかるようになるでしょう。世の中が「移動しない生活」を求めるようになる。
これからリモートワークが進んで、地方への移住者が増えるかもしれませんよね。移動がなくなるだけで心と時間の余裕が出来る。日本人にはそれが足りない。満員電車なんて意味がないですし、若者も「都内で住むとカッコイイ」みたいな所がありますけど、そんな価値観もなくなるんじゃないでしょうか。移動に時間とストレスを感じたくない、と。
だから今は価値観の転換期。ダーウィンも「変化に対応できるモノが生き残る」というような事を言っていますけど、新しい時代を生き抜くために、我々コーヒー屋もどう変わるのか。弊社も通販に力を入れるようになりましたし、動画の配信も積極的に行うようになりました。先に述べた「タダコーヒー」みたいなイベントをオンラインで行っていきたいです。』
確かな拘りと味でコーヒー業界にその名を轟かせるサザコーヒーも、今「変化」しようとしています。それはきっと、サザコーヒーに宿る「エンタメの遺伝子」が源流になっているのだと確信します。
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最後に、サザコーヒーのこの言葉で締めたいと思います。